寝ている時に急に足がつってしまい、痛みのあまりに目が覚めた経験をお持ちの方は沢山いてることかと思います。筋肉を酷使することで筋肉のけいれんが発生して、いわゆるこむら返りが起こるのですが、特に運動などをしていないのにも関わらず、よくこむら返りになる方もいます。筋肉の原因だけではなく、体内の異常によるものも考えられるので、注意が必要です。
こむら返りの原因とは!?
まずは、こむら返りとは何かというと、医学的には「腓腹筋痙攣(ひふくきんけいれん)」と言います。この「こむら」という言葉は、腓腹筋(ふくらはぎ)のことを示しており、ふくらはぎの筋肉が過剰に収縮した状態のことを「こむら返り」と言います。
ふくらはぎに起こることが多い事でそう呼ばれますが、ふとももや、すね、足の指などの筋肉にも起こります。
では、こむら返りとはなぜ起こるのでしょうか?原因としてこれらが挙げられます。
・運動不足
普段使っていない、又は使い慣れていない部位を動かした、日ごろ運動をしていないのに急に動かした、長時間の運動をした、などの理由では、筋肉を動かすためのエネルギーの補給が十分ではない、筋肉の伸縮を調整する機能が過剰に反応しておこるとも言われています。
・冷えによるもの
筋肉が冷えることで血管が収縮して血液の流れが悪くなることで、筋肉の血液量が減少して十分に筋肉に栄養とエネルギーを供給出来なくなるうえに、熱を作るために筋肉が収縮するので、足がつりやすくなります。
・ミネラル不足
ミネラルは筋肉の動きや神経の伝達の調整を行います。体内では産生できないので、食べ物から摂取する必要があります。これらが不足することで筋肉の伸縮に異常をきたして、過剰に筋肉が収縮することがあります。
・水分不足
睡眠時や汗をかいたとき、水分を摂取できなかった時や、下痢をしているなどにより水分が不足すると、栄養素、酸素、老廃物などの供給や排出がうまいこと行かず、筋肉が過度に緊張を起こしやすくなります。
上記の内容はこむら返りになる引き金となるもので、多くの原因は、ミネラル不足によるもの、特にマグネシウムの不足が大きく関係していると言われています。
筋肉の収縮と弛緩にはカルシウムが働いています。筋肉の細胞にはカルシウムを蓄える場所があり、カルシウムが筋肉のたんぱく質にくっつく事で筋肉が収縮して、たんぱく質からカルシウムが離れることで筋肉が弛緩するという構造になっています。
このカルシウムは、ミトコンドリアと呼ばれる細胞内の器官からエネルギーを得ており上記の事を行いますが、このエネルギーをの産生に必要なのがマグネシウムです。マグネシウムが不足することで、カルシウムの取り込みが困難になり、筋肉が収縮した状態になります。そのせいで、こむら返りが起こるのです。
こむら返りの予防法
頻繁に足がつったり、こむら返りが起こる場合の方は、慢性化しないように予防策を行っていきましょう。予防策としてこれらが考えられます。
・ストレッチやマッサージ
ふくらはぎを手のひらなどを使用して軽く揉んだり、手を滑らせるようなやり方でマッサージをしてもらうことで、日常生活などで蓄積された筋肉の疲労の解消につながります。また、足や全身のストレッチなどを習慣化することで筋肉の柔軟性を高めることができて、足がつることを予防できます。
・食生活の見直し
次の予防策として、食生活の見直しも大事なことです。栄養バランスに重点を置いて、特にミネラルが不足しないように心がけることが大事です。
ミネラルの中で、筋肉の動きに関わるカルシウムとマグネシウムを積極的に食生活に取り入れましょう。カルシウムは小魚や乳製品に多く含まれており、マグネシウムはナッツや豆類、大豆製品に多く含まれています。
無理することなく、毎日でも摂取できるものですが、難しい場合はサプリメントから摂取するのも一つの方法です。
・筋肉量の増加
少々の筋肉の負担でも疲労がたまりにくい筋肉量をつけることが大切です。身体自体にいたみがないようであれば、まずはウォーキングから始めてみるのがいいでしょう。運動の後は筋肉にたまった熱を取り除くためにアイシング(約10分程度)をして、あとはしっかりと温めます。
上記の内容の予防法をしても頻繁にこむら返りが起こる場合は、病気などが原因の可能性もあるので、その場合は病院などで診察をうけることも必要となってきます。
腰椎の疾患(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など)、糖尿病、肝硬変や腎不全、下肢静脈瘤、閉塞性動脈硬化症などでもこむら返りが起こります。
飲んでいる薬が原因になる場合もあります。主にこむら返りの原因の可能性がある治療薬として
・高脂血症治療薬
・降圧剤(高血圧)
・β刺激薬(ぜんそくの薬)
・インスリン
などが挙げられます。もし薬による原因だとすれば、別の種類にするなどして調整していく方向にしてみるなどで対処をしてみましょう。
こむら返りが起きた時の対処方法
ふくらはぎがつった時にしてもらうことは、つま先を手前に引いて、ふくらはぎの筋肉を伸ばすことです。この時に注意していただくことは、膝を曲げた状態で行わないようにしましょう。ふくらはぎの筋肉は、膝の関節より上の場所に筋肉の腱がひっつくので、曲げた状態で伸ばしてもふくらはぎの筋肉が完全に伸びません。手の届かない方はつま先にタオルを引っかけて伸ばしたり、タンスや壁に押し付けたりする方法もあります。
特にこの夏の時期は、汗をかくことで水分不足になり、ナトリウムとカリウムも不足するので注意が必要です。脱水状態にならないようにしっかり水分と塩分を捕球するとともに、普段の生活を見直してみてはいかがでしょうか?