最近テレワークなどでパソコンでの作業が増えてしまったがゆえに、より一層首周りや肩周りにこり感が強くなってきただけではなく、腕にかけて痛みや痺れが出てくるといった症状が存在します。この状態で考えられる疾患として胸郭出口症候群というものがあります。
今回は「頚部・肩部の症状」の1つである胸郭出口症候群についてご紹介していきます。
胸郭出口症候群とは?
「鎖骨と胸の間」の事を「胸郭出口」と言います。この部分に腕や胸まわりの神経の根本となる「腕神経叢」といった大きな神経が通っています。
また、腕神経叢だけではなくて、胸郭出口に一緒に通っている血管(鎖骨下動脈)も通っており同時に圧迫されることになります。
この、腕神経叢・血管が圧迫されることによって次の症状が出てきます。
「肩から指にかけての痺れや倦怠感」
「循環不全による手指の蒼白」
「不定期な痛み」
などが症状として出てきます。
傾向として、なで肩の女性に多くみられます。あとは長時間悪い姿勢で座っていたり睡眠不足やストレス、重い物を持つ習慣などが重なったりすると発症しやすくなると考えられています。電車でつり革につかまっている時やパソコンをしている時に症状が悪化する方は要注意です。
胸郭出口症候群のタイプについて
この胸郭出口症候群ですが、圧迫する場所によってタイプが変わります。
・斜角筋症候群・・・斜角筋という頚部の筋肉が主に圧迫しているタイプ
・過外転症候群・・・小胸筋という胸の筋肉が主に圧迫しているタイプ
・肋鎖症候群・・・肋骨と鎖骨の間で圧迫しているタイプ
あともう一つとして、頚肋症候群という先天的に下位頚椎から出ている肋骨が残っている為に起こるタイプがあります。
症状を改善するために心がけること
避けるべき動作
重い物を持つ(思い手提げ、肩掛けバッグ、リュックサックなど)
姿勢(仰向け、うつぶせ):枕の高さなどで変化することもあります。
通勤などでつり革などを掴んでいる
長時間のコンピューターの作業
これ以外の手がしびれる姿勢
症状が起こるようなことをすることで、時には数日間具合が悪いことがあります。もし、上記のこにあてはまるようなら避けてもらっている方がよいです。
症状がマシになった時などで行うトレーニング・運動
腕立て伏せ
壁面を押すトレーニング
肩を挙上するトレーニング
スイミング
肩をすくめるような運動を行うのもわるくないでしょう。薬に走ってしまうよりはなるべく運動療法を取り入れてやっていくのも大事です。
ただし、やり過ぎには注意しましょう。症状を悪化させる可能性があるので、できる範囲から始めて、徐々に負荷を大きくしていくようにしましょう。
筋肉の緊張が見られる場所
胸郭出口症候群では斜角筋・胸鎖乳突筋・大、小胸筋・鎖骨下筋などの胸郭出口を構成する筋肉の緊張が見られます。
その筋緊張を取り除くことで、胸郭出口を通過している神経への機械的刺激をなくします。
まとめ
この症状は、良くなったり悪くなったり繰り返すことがあります。自然と治癒することもあるのですが、そのまま放置してしまうと物が掴めないほどの握力低下、日常生活や仕事に支障をきたすほどのしびれが出ることがあります。
今のこの時代、運動不足やストレス、デスクワークなどの負担で上記の症状が初めて出てしまった方もいてるかと思います。ご参考になればと思い今回の内容をご説明しました。