皆様は『筋膜』という言葉を聞いたことがある、もしくは知っているでしょうか?最近では、テレビや雑誌などで『筋膜』というものに注目することが多くなってきました。
今回はその『筋膜』に着目して、役割や歪みによる影響などについて書いていきます。
筋膜とは
筋膜とは、その名前の通り筋肉を覆う膜の事です。たとえば、生の鶏肉の表面に薄くて白い膜が覆っているのを見たことはないですか?
それが筋膜になります。
私たちの体の中にも同じように、筋膜は全身の骨や筋肉を覆っていて、この筋膜によって骨や筋肉、内臓といった体を構成するものが1つにまとめあげられることで、体が支えられているという事です。
筋膜の役割
1.身体の容器としての役割
身体には約400の筋肉があり、層のように重なり合っています。隣り合う筋肉や、重なり合う筋肉同士が摩擦を起こすことなく、それぞれの方向性や伸縮性を保ちながら、円滑に動くようにできるのも筋膜の役割によるものです。
また、血管やリンパ管、神経は筋膜の合間をぬって身体中を走行していることにより、血液やリンパ液、神経の電気信号がスムーズに流れることが出来るのです。
2.身体の支えなどの役割
ほとんどの方が、私たちの体を支えている物は『骨』と思い浮かべるであろうと思います。
実は、身体を支えているのは骨そのものではないのです。骨自体は、身体の支柱となってはいますが、筋膜の張力が引っ張り合う事で支えているのです。
想像がつかない方もいてるかと思いますが、わかりやすい例で挙げると、テントを思い浮かべてください。
テントは、骨組があって、それを布地とロープのテンションで引っ張り合い支える事で、形を保っています。
身体にも骨があって、それを筋膜という膠原繊維のテンションで引っ張り合い支える事で、形を保っているのです。
筋膜と歪みの関わり
筋膜の不具合は、長時間の同じ姿勢、使い過ぎ、運動不足や疲労、ストレスなどにより生じます。
筋膜にこれらの影響による不具合が生じることで、筋膜に癒着・縮み・緊張の状態になり、筋膜の役割を果たすことが困難になることで、歪みや凝り、しびれなどの症状が引き起こされてしまいます。
身体は歪んで、傾いた状態で重力とのバランスをとらななければならなくなり、今でもすぐに崩れそうな積み木のような不安定の状態での生活を余儀なくされてしまいます。
地球上で生活をしている以上は、重力が常にかかっている為に身体を支えるためのエネルギーが必要になっていき、傾いた状態からさらにバランスを取るために別の部位でも筋膜の不具合が発生してしまい、疲労感や重だるさ、緊張や凝りなどが他の場所で現れたりして悪循環になりかねません。
対策法
これらの症状を改善していくためには、『筋膜マッサージ』による施術が効果的です。筋膜の不具合を取り除いていくことで
1.筋肉がスムーズに動き、血流が改善される
2.身体の安定感が増して、筋肉の動きや内臓の働きがスムーズになる
3.身体のしなやかさ、柔軟性が取り戻されていく
という効果が期待できます。歪みを戻すだけではなく、筋膜を整えることも根本治癒の1つの近道ともいえるでしょう。