最近、肩が痛くて腕が上がらないといった症状を抱えている患者様が多くご来院してきます。
この、五十肩・四十肩は前触れもなく突然発症することが多く、朝起きたら腕が上がらなくなってたり、最初は違和感から始まり徐々に痛みがきつくなり上がらなくなるという方もいてます。
この、四十肩・五十肩は通称で本当は『肩関節周囲炎』という名称になります。どちらも、名前は違いますが症状は一緒です。40代で起こるか50代で起こるかの違いだけですので!
この関節炎は、加齢によるものが多く、特徴として肩を上げたり水平に保つのが難しくなります。その為、洗濯物が干しずらくなり、背中のファスナーが上げれないや、髪の毛結ぶのも痛いなど手を上げる動作が辛くなります。
この症状が起こっても大抵の方は、『いつか治るやろう』と放置してしまいがちです。3カ月から半年たって『おかしい、全然治れへんやん』と焦って病院に行く方が多くいてますが、この時にはもうすでに病院に行くのが遅いです。症状発症から放置する期間が長ければ長いほど治療期間が長くなり治るのが遅くなります。治るまでかかる人は1年から2年かかった方もいてますので、皆さんも早く治したいですよね!?痛みが出て『いつもの痛みと違うぞ!』と違和感お覚えたらすぐに医療機関に受診しましょう。
四十肩・五十肩の原因は?
四十肩・五十肩は、肩の関節にある【腱板】という組織が炎症を引き起こし【関節包】に広がることで起こります。これは、老化に伴い、筋肉や腱の柔軟性が失われスムーズに動かなくなるからと言われていますが、実際のところ原因ははっきりされていません。
どんな時に痛みが出る??
肩甲骨と上腕骨をつなぐ肩関節に痛みが出ます。その為、腕を持ち上げるような動きが難しく、腕を外側に回すような動作などは特に痛みを感じます。(ボールを投げる動作など)
1.髪を後ろに束ねる
2.つり革を持つとき
3.洋服の着脱
4.洗濯を干すとき
5.シャンプーをする時
6.顔を洗う時
7.エプロンのひもを結ぶとき ・・・etc
ただ「痛みがある」というだけでなく、いつもの簡単な動作が困難になり、日常生活が不憫になります。
痛みの状態として
1.急性期
2.慢性期
3.回復期
と3つの段階があり
1.急性期では
1)鈍痛 → 肩のあたりが重苦しい感じがし、肩の関節がピリッと痛む
2)感覚異常 → 肩周りの感覚が鈍くなり、腕に違和感が出る。首肩に張りを感じてくる。
3)疼痛 → ズキズキと、疼くような痛みが出て、肩を動かす際に痛みを感じてくる。朝晩の痛み が強くなる。
4)夜間時痛・安静時痛 → 動いてもいたいし、何もしていなくても痛い。夜寝る時に痛みが出て痛みで目が覚めてしまい寝れなくなる。
2.慢性期
・夜間時痛・安静時痛は軽くなる
・過度に動かした時、強い引っ張り感がある。
・急性期の痛みにより、動かさないことが続くことで関節が硬くなり、動かせる範囲が狭くなる。
3.回復期
・徐々に痛みが改善してきて動かせる範囲も広くなる
・動かしても痛みが出なくなる
治療法は、はっきりとした原因が分かっていない症状ですが、悪化させないためにも状態にあったケアが大切になります。まずは、
1.運動療法
ストレッチや振り子運動は肩関節の緊張をほぐし、痛みの緩和と、関節の可動域を広げることを目的とします。
2.温熱療法
患部の血行を良くすることで、治癒を促し痛みの緩和が期待できます。ご自宅では、入浴や蒸しタオル・温湿布などを使い温めます。(注;決して急性期の段階で温めないでください)
3.寒冷療法
痛みが激しく、患部に熱を持っているような場合は、炎症を抑えるため『寒冷療法』を行います。アイスパックなどを用いて患部を10分程度冷やします。氷を直接あてると凍傷になってしまいますのでタオルやキッチンペーパーなどでくるんで使用するようにしましょう。その後、冷湿布を貼ってください。
まとめると、四十肩・五十肩かな?と思ったら、まずは医療機関へ受診しましょう。急性期の時は、あまり動かさず、患部を冷やしてください。慢性期の時は、冷やしたり、温めたりを繰り返し行い少しずつ動かすようにしてください。回復期には、ほとんど痛みはなくなって来ていると思いますのでどんどん動かしていきましょう。この時に、関節可動域が小さくなっていたら慢性期の時点であまり動かせていなかったと言うことになります。しっかり動かしていきましょう。
とにかく、痛みは伴っても動かすことが大切です。ご自身のお体に対して過保護にならないように動かすときはしっかり動かし、休む時はしっかり休むといったメリハリを持ってください。