大方の慢性腰痛はの原因の多くは、筋肉の硬結などによる影響が考えられますが、この場合のケースは、腰を沿った時や、起きあがるとき、前かがみの姿勢をとった時などに痛みが出やすい傾向があり、横になるなどの楽な姿勢で安静にしていると痛みが楽になる事があります。

一方、急に腰に強い痛みがあらわれてしまい、姿勢とは無関係に痛みが続く場合や、じっとしていても激しく痛みが出る場合には、重大な病気の可能性があります！

手遅れにならないように、今回の内容に当てはまるようなら病院で診察を受けましょう。

内臓の病気による腰痛

尿管結石(にょうかんけっせき)

尿管結石とは、腎臓でつくられた小さな石が尿管につまってしまう事で、若い男性に多くみられます。左右どちらかの背中～腰に深夜や早朝に突然、七転八倒するほど強い痛みがあらわれます。座薬などの強い鎮痛剤を使用しないと痛みが治まらないことも多々見られますが、いったん痛みが治まると何事もなかったかのように症状が落ち着いて良くなります。

腎盂腎炎(じんうじんえん)

腎盂腎炎とは、腎臓の細菌性感染症で、若い女性や高齢の方に多くみられる腎臓の疾患です。高熱とともに、左右のどちらかの背中～腰にすごく重たい様な痛みが出るのが特徴です。

血液検査や尿検査にて軽傷であれば、抗生物質の内服薬により治療をおこないますが、重症な場合では救急指定病院などでの治療が必要となってきます。

後腹膜炎(こうふくまくえん)

胆のう炎や、急性虫垂炎(多くの方は、盲腸の事を指します)、腸管穿孔(ちょうかんせんこう)などによる後腹膜炎による炎症の中心が背中にある場合に、腰部に鈍痛を出て来て自覚症状が現れます。多くの場合は手術を要します。

急性胃炎・胃十二指腸潰瘍

急性胃炎や胃十二指腸潰瘍の多くは、みぞおち付近に痛みが現れることが多いのですが、場所によっては背中や身体の左側の痛みになることがあります。

痛みは、食事によって左右されることが多く、動作や姿勢による症状とは無関係です。食事直後の痛みであれば胃の上部の痛み、空腹時の痛みであれば胃の下部や十二指腸の病気である可能性が高いです。胃酸を抑える薬を使用することが多いですが、改善しない場合や、日に日に痛みが増してくるようであれば、胃がんなど他の疾患の場合があるので、詳しい検査を受けることをおススメします。

急性膵炎(きゅうせいすいえん)

胆管の病気(胆石)やお酒の飲み過ぎによって、すい臓に炎症が起きる病気です。

脂っこい食事の後や、たくさんのお酒を飲んだ後に、左上腹部や背中に、突き刺すような痛みがあらわれて長時間続きます。仰向けで寝ると痛みが強くなり、膝を抱える姿勢になると軽快するのが特徴です。

重症化することがあるので、早期の治療が必要です。

大動脈解離(だいどうみゃくかいり)

大動脈の壁が避ける病気であり、大動脈解離による痛みは、急に胸や背中が引き裂かれるような、熱いくぎを打ち込まれたかのような激しい痛みが特徴です。

裂け目が広がるにつれて、痛みが腹部や腰部に移動したりします。

腹部大動脈瘤(ふくぶだいどうみゃくりゅう)

大動脈の壁の一部がコブのように膨らむ病気で、診察している時に偶然発見されることもしばしばあります。このコブが破裂すると、突然ある瞬間からへそ周囲や腰に突き刺さるような激しい痛みがあらわれます。

冒頭でもお伝えしたように、内臓からの病気による腰痛がありますので、激しい痛みがある場合、日に日に症状が強くなっていく場合、症状が全く改善されない場合などは、一度病院で診察を受けてみるのもいいでしょう。