首こりを感じると、ご自身で首を揉んだり温めたり、ポキポキしたくなりますよね。これまでの理論では首こりは筋肉をほぐせば良くなるとの考えが主流であろうと思われますが、果たして本当にそうでしょうか?
首こりの原因として姿勢の悪さも挙げられますが、本当にこれだけの理由が挙げられるでしょうか?
実際、筋肉が硬くても全く首こりがない人も沢山いらっしゃいますし、姿勢が悪くても全く首こりがない方もいてます。逆にものすごく身体が柔らかい(関節が柔らかい)のに首こりで悩んでいる人もいます。姿勢がとてもいいのに首こりで悩んでいる人もいます。
なぜでしょうか?今回はその疑問に対する答えを挙げていきます。
首こりを感じるのは「感覚神経」の影響がある
上記で挙げた内容では、筋肉の硬さなどは関係がないといえるでしょう。また、筋肉自体には首こりを感じる神経はありません。筋肉を包む筋膜(筋肉と皮膚の間にある層)や筋肉と腱の移行部には、痛みを感じて、コリ感を感じる神経はあります。
筋肉が柔らかい人や、姿勢が良い人でもこの首こりを感じる感覚神経(侵害受容器)が何らかの理由で興奮することによって首こりを感じてしまいます。
そして、一番多い理由として神経を栄養している血流の低下が挙げられます。
神経を栄養している血流の低下が起こると、痛みやコリ感を感じる侵害受容器が興奮して、その情報を脳に伝えます。と言うことは、神経に対する血流を良くすることが、コリ感を無くす一番単純な方法になります。
血流が悪くなるのは、単純に言うと体を動かさないから悪くなります。長時間同じ姿勢でいると誰でも血流が悪くなりますし、侵害受容器が興奮します。
今、この世の中にはありとあらゆる治療法があって、様々に理論があります。その時に施した様々な刺激によって「神経の血流が良くなる」のです。
ただ、神経の状態が悪いと血流も良くならないですし、良くなっても一時的です。神経機能を健康に保つことが大事になります。
また、コリ感は神経を介して脳で感じていることから、脳自体に疲労や機能低下があると神経機能が低下してしまうので中々首こりが消えないかもしれません。
神経の血流をよくするには
では、どの様に神経の血流を良くしていけばいいのでしょうか?
その答えは「こまめな運動」と「こまめなストレッチ」になります。当たり前やないかと思われるでしょうがこれが大切なのです。
体の構造は単純で、関節を曲げたり伸ばしたり、または軽い運動により心拍数を上げるだけで毛細血管は広がって、全身の循環は良くなります。
心拍数が120~130くらいの軽い運動を一日15分続けるだけで、安静時の疲労感がかなり少なくなるとの報告もあります。
デスクワークでもこまめに休憩をとってストレッチする、姿勢を変えるとなどでもコリ感は減少されます。
あとは、睡眠も脳の機能を保つうえでは非常に大切です。
筋肉をほぐす場合は、あまり強くマッサージされないほうをお勧めします。強い力で行うことで筋繊維が破壊されて、余計に筋肉が硬くなる恐れがあるためです。
最後に
人間の体は様々です、色んな体格や姿勢、筋肉、そして性格や思考など様々あります。しかしその中でも共通していることがあります。体を機能させているのは脳と神経という事です。
神経機能を健全に保つことが、首こりを無くす為の1つの方法でしょう。そして、神経機能を健全に保つと言うことは、体の動き、バランス感覚、内臓機能、免疫機能が健全に働くことに繋がります。
ご自身のケアとして、繰り返しになりますが
こまめなストレッチや運動で「神経の血流を良くする」
同じ姿勢は続けない
良質の睡眠
脳をリラックス(瞑想、深呼吸など)
楽しむことをして、そして笑う(免疫力の向上が見込めます)
などを行ってみて、首こりを神経から改善していきましょう。ご参考になればと思います。