現在、外出の自粛などで身体を動かすことも少なくなって来ており、自宅の椅子に座りっぱなしになりテレビを見ている、もしくは座敷の床に座り込んでじっとしているなど同じような姿勢を長時間続けてしまっていることが多いかと思います。
そして、長いこと座りすぎてしまうことで腰に段々と痛みが出て来てしまって痛みが取れなくなってきた、足に痺れが出てきたなどの症状が表れてきます。
今回、これらの腰痛に対して特に重要な筋肉の1つである、腸腰筋という筋肉について説明していきます。
腸腰筋とは
腸腰筋という筋肉は、上半身と下半身をつなぐ筋肉であり、背骨の腰の辺りから筋肉が付着している大腰筋というものと、骨盤の内側の上部から始まる腸骨筋という筋肉が組み合わさっており、骨盤を通り抜けて太ももの内側についてくる筋肉です。
この筋肉は「深腹筋(しんふっきん)」や「深部腹筋群」と総称され、いわゆるインナーマッスルの部類に入る筋肉です。
どんな役割を担っているか?
腸腰筋は上半身と下半身をつないでいる唯一の筋肉です。
・腰をS字状にキープする
・太ももや膝を持ち上げる動きがある
・立ち姿勢を保つ際に重力に引っ張られるのを抵抗する抗重力筋でもある
という役割を担っています。
上記以外にも、姿勢やプロポーションにも関わってくる筋肉でもあり、最近は速く走る為に重要な筋肉としても注目を集めています。
腸腰筋が衰えたらどうなるか?
腸腰筋が衰えて硬くなってくると、以下のような状態を引き起こす可能性があります。
・バランスが悪くなる
・姿勢が悪くなる
・お尻が垂れるようになる
・下腹がポッコリ出てくる
・腰痛になりやすい
・つまづきやすくなる
ただ、こうした状態は腸腰筋だけが原因で起きるものではありませんが、影響は与えています。まずは、腸腰筋が硬くなっているのかどうかチェックしてもいいでしょう。
腸腰筋の硬さをチェックしよう!
チェック方法
1・仰向けに寝る。
2・片足の膝を胸につくように抱える、もう片方の足は膝を伸ばした状態にする。
*もし膝が胸につない場合は、誰かに押してもらってください。
抱えている膝を胸につけている時に、もう片方の膝裏が床から離れてしまうようであれば、腸腰筋がうまいことつかえてない、もしくは硬くなっている証拠です。
腸腰筋を鍛えよう!
腸腰筋を鍛えることによって、以下のようなことが期待できます。
・体のバランスを保つ
・良い姿勢をキープする
・ヒップアップするのと、下っ腹が出るのを防ぐ
・腰痛の予防
・太ももを引き上げる力が強くなることで、速く走ることが出来るようになる
というメリットがあります。
そして、この腸腰筋を鍛える際の注意点をあげていきます。
腸腰筋はインナーマッスルであり、インナーマッスルのトレーニングはだいたい40%くらいの力で行うのがよいとされています。それ以上の力でトレーニングをすると、アウターマッスルの作用が強くなるためです。自重トレーニングや日常生活の動作で鍛えるようにしていくのがよいでしょう。
①レッグレイズ
2.膝を伸ばしたまま両足を上下させます。
3.10~20回×3セットを目安に行いましょう。
効果を上げる方法
・足を下ろした時に、床につけないで続けると効果が上がります。
・足を下ろす際にゆっくり行うとさらに効果的です。
②バイシクル
1.仰向けで寝る
2.足を浮かしたまま、自転車を漕ぐように両足を交互に胸に引きつけます。
3.10~20回×3セットを目安に行いましょう。
効果を上げる方法
・ゆっくり行うとさらに効果がでます。
日常生活での使い方
・階段を使う
一段飛ばしで少し前傾しながら行うと、さらに効果が上がります。
・少し大股で歩く
足の裏ひとつ分ほど大股で歩くと、より効果が高まります。
腸腰筋に対するストレッチ法
トレーニングの後にはストレッチを行うのが大事です。なかなか上記のトレーニングが出来ない人は、まずストレッチからしていくのも良いです。ここでは、1つのストレッチを紹介します。
*ランジ
1.しゃがんだ状態から、膝は曲げたままで、足を前後に開きます。
2.後足の膝は床につけます
3.前足に体重を乗せて、後足の股関節を伸ばします。
最近になって注目されてきたこの腸腰筋という筋肉、少し意識してトレーニングなどをすることで、姿勢やプロポーションを改善して、腰痛の予防につながるだけではなく、運動能力を高めることも出来るでしょう。