インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症を予防するためには、免疫力を高めることが重要だと考えられています。そこで期待されている栄養素があります。その栄養素とは・・
ビタミンDです。
今回は、免疫機能にかかわる「ビタミンD」の働きなどについてお伝えします。
そもそも免疫って何?
免疫とは、ウイルスなどの有害な物質から体を守る仕組みのことをいい、免疫力は体に入ってきたウイルスなどと戦う力のことを指します。
体内にウイルスが侵入してきたとしても排除して、病気にならないような働きをしてくれるのが免疫機能になります。
免疫力が低い人はウイルスに対しての抵抗力が弱い為に、感染症だけではなく、様々な病気にかかりやすくなります。一方で免疫力が高い人はウイルスに対する抵抗力が強い為に、病気にかかりにくくして健康な状態でいることが出来るという事です。
ビタミンDはどんな働きをするの?
主にビタミンDにはこのような働きがあります。
骨の健康維持
筋肉量の維持・改善
高齢者の転倒予防の維持
関節リウマチの予防
がんの予防
高血圧症の予防
免疫力の向上
アレルギー症状の改善
うつ・不安の改善
など様々な働きを持ち、健康維持に欠かすことの出来ない栄養素といえるでしょう。
体内での生成ができないビタミンなので食べ物などから摂取する必要がありますが、ビタミンDには大きな特徴があります。その特徴は、日光に当たることによって、体内で合成が出来るという特徴があります。
しかし、ここで問題があります。
ビタミンDの不足の問題です。この問題は世界的な問題であり、その中で日本人のビタミンDの血中濃度は極めて低いとされています。
ビタミンD不足に陥りやすい原因は様々あるのですが、最大の原因はやはり「日光を必要以上に避けている人が多い」ということがあるのではないでしょうか?
紫外線はしみ・しわなどの肌トラブルの原因となるので日光に当たることを嫌悪される方もいらっしゃるでしょう、ただ、そのなかでもできるだけ「広範囲」に「短時間」日光を浴びることによって肌のダメージを減らしつつ、十分なビタミンDを生成することが出来るといわれています。(20~30分程度の散歩やウォーキング、夏場なら日中で10分間)
あと最近では、世界の方でも気になる研究結果がでてきています。
血中ビタミンD濃度が十分にある人は不十分である人に比べて、新型コロナウイルスに感染したとしても重症化しにくいという報告です。
ビタミンDは魚介類(特に魚の皮)、キノコ類などの食物に多く含まれています。ビタミンDは熱に強いので、焼く、ゆでる、揚げるなど様々な調理法が可能です。これらが苦手な方はサプリメントで摂取するというのも1つの方法です。
あと、厚生労働省は高齢者の栄養不足やフレイルの防止の目的から2020年に日本人成人男女の1日のビタミンDの摂取基準を8.5㎍(マイクログラム)に引き上げました。また、骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインでの推奨量は1日10~20㎍とさらに高い基準となっています。
成人の1日のビタミンD摂取の上限は100㎍とされており、複数のサプリメントを使用している方は、その組み合わせによって上限を超えている可能性があるので、各成分の含有量を十分に確認してから摂取するようにしましょう。
紫外線に当たることで体内で合成されるので、今の自粛という流れの中でも、感染対策を十分に行っている状態で日光を浴びて、免疫力をしっかり向上させて感染予防に努めましょう!