肩こりや腰痛など、国民の数人に1人が症状として持っているこの現代ですが、それとは違う痛みとして背中の痛みや苦しさがあります。これは、子供よりも大人によく見られる症状の一つであり、精密検査を行っても原因は特定できないことが多く、筋肉の疲れなどと称されやすいです。また、時には強烈な痛みを発症することもあり『ぎっくり背中』と呼ぶ場合があります。
今回はこの背中の痛みが何故起こるのかということを解説していきます!
背中の痛みの原因
背中は中心を走る背骨と両サイドにある肩甲骨によって構成されています。
そしてその背骨と肩甲骨の間や肩甲骨周りに様々な筋肉がついています。それらの筋肉の働きは腕をあげる、肩甲骨自体を上げたり下げたり引き寄せたりなどの動きを行います。
体を捻るときにもそれらの筋肉が使われます。
本題の、背中が痛くなる原因はこの肩甲骨の動きの悪さが関わってくることが多いです。
肩甲骨の動きは周りの筋肉が作っているので、肩甲骨自体の動きが悪いというのは筋肉が固まっているということが言えるでしょう。
主に背中に関わる筋肉として僧帽筋・広背筋・菱形筋などが挙げられます。特に僧帽筋・広背筋は、肩、腰の間にある筋肉ゆえに肩と腰の動きに関係します。肩の動きの際に肩の筋肉が主に働きますが、その補助として働くのが背中の筋肉となります。
よって、背中の多用している実感がなくても、肩・腰を使っているうちに背中にも負担がかかっていき、疲労が蓄積された状態の時に筋肉に傷がついてしまい痛みを発症してしまうということになります。
この背中の痛みの症状としては、呼吸をした時に、背中にピリッとした痛みが出たり、動きの中で背中に痛みが出ます。急性の強い痛みの場合は安静にしていても痛みを感じます。そして腰痛を伴うケースが多いです。
背中の痛みのパターンについて
次にどういったことで背中の痛みを引き起こすかを説明していきます。
①長時間同じ姿勢でいることによる筋肉の緊張と疲労の蓄積
長時間座ってパソコンに向かっていたり、立ちっぱなし、中腰などの姿勢を続けていると背中の筋肉が緊張していきます。そして時間の経過とともに筋肉が疲労して、血行が悪くなることで背中にこりが蓄積していき痛みを引き起こすパターンです。
➁過剰な運動や無理な負担
過度の運動によって筋肉が疲労して、緊張を強いられた背中の筋肉が痛みを引き起こします。また、無理な力がかかるような動作を行うと、急性の背部痛を伴う可能性があります。
➂背中の痛みの原因となる疾患について
背中の痛みを引き起こす代表的な疾患として、椎間板ヘルニアや頸椎の損傷(むち打ち症)などの原因によっても発症します。
また、結石や胆石症、すい臓の疾患や骨粗しょう症なども背中の痛みを引き起こします。他には、風邪やインフルエンザ、腎盂腎炎(じんうじんえん)、帯状疱疹(帯状ヘルペス)などの細菌やウイルスの感染による影響で背中の筋肉が痛むこともあります。
さらに、心筋梗塞などの心臓疾患の発作では、胸に起こる痛みが背中にまで及ぶことがあります。
背中の痛みの改善方法
背中の痛みを取り除いていく1つの方法として身体を動かすというのが手っ取り早くできる方法ではないでしょうか?身体を動かす効能について説明します。
ウォーキング
関節に強い負荷をかけない有酸素運動は、腰の痛みを和らげる効果があります。簡単でお金もかからず、日常生活に手軽に取り入れることが出来ます。
歩くことにより筋肉をつかい、姿勢が安定していくと共に、背骨の安定性も増していきます。
休憩をとる
仕事などで長時間座っていると、筋肉に負担が蓄積していき痛みを引き起こす原因となります。負荷を減らすためにも適度に休憩をとって、立って歩くようにしましょう。
ストレッチをする
首から腰にかけて伸びる背骨は、構造的に動くように出来ています。動きが制限されると、痛みが悪化しますので、簡単なストレッチを試してみるのもいいでしょう。その際は、ゆっくりとおこない、決して無理をしない、もう一つ気をつけることは、寝違えやギックリ背中をような急性の痛みに対しては逆効果になります。まずは痛めている場所をアイシングなどで冷やして、まずは自分で触ったりしないようにしましょう。