様々な痛みがある中で、夜中に関節が痛くて寝ることすら出来ないという話はよく聞くことだろうと思います。
この夜中の痛みは大まかに分けて、痛みが気になって寝ることが出来ないというのと、痛みが激しくて寝るどころではないというのとに分かれるであろうと思います。
今回の後者の内容の夜中の痛みは、多くの人が苦しんでいる症状であるのにも関わらず、殆ど研究されていないという事です。
今回はこの夜間痛というものについて述べていきたいと思います。
夜間痛は、なぜ起こるのか?
なぜ、夜間痛が発生するのかというのは、実はまだ明らかにされていないのが現状です。
肩の夜間痛ということであれば、骨の内圧、烏口肩峰靭帯下圧、肩峰下圧の上昇による原因ではないかと近年報告されてはいます。
局所の炎症による腫れや肥厚、痛みに対する肩関節の周りの筋肉の防御収縮により圧が上昇して、痛みが誘発されるのではないかと言われています。
身体を起こした状態では、上腕骨は重力によって下方に引っ張られています。しかし、寝ている状態では重力による牽引力がかからない為に上腕骨と肩峰の間が狭くなります。
これによって、肩峰下滑液包や棘上筋などの組織が圧迫されることで、夜間痛が生じると言われています。
もしかしたら、膝での夜間痛も同じことが言えるかもしれません。膝の周りにも滑液包があり、筋肉として大腿四頭筋などもあり、関節の変形や局所の炎症によって腫れや肥厚が生じて、骨の内圧が上昇して、筋肉が防御収縮することで痛みが誘発されるのではないでしょうか?
夜間痛の対処法
今回は肩の夜間痛に関しての対処法を紹介していきます。
自分で出来る筋肉のセルフケア
・胸部の筋肉を柔らかくしていく
鎖骨の下から肩の前面にかけてほぐしていきます。肩の痛みがある方、特に夜間痛が伴う方は胸部の筋肉がガチガチに固まっている傾向があります。そこをほぐしていきます(あまり強くし過ぎないようにしましょう。)
ここの筋肉は大胸筋や小胸筋、鎖骨下筋という筋肉があります。これらの筋肉が硬くなることで、姿勢を悪くしたり肩の動きを悪くしてしまうことが考えられます。
これですべてが改善するというわけではないですが、夜間痛の痛みの軽減に一役買ってくれるのではないかと思います。
夜間痛の痛みを軽減する寝る姿勢
上向きでの痛みを軽減する方法
上向きで寝た時に痛みが出る理由として、腕の重さで肩が下がってしまうことで、肩関節の前が伸ばされてしまうことで痛みが出ます。
人間の体は肩関節が真横ではなく、斜め前に出ている構造になっていて(後捻角と言います)関節がストレスを感じやすく痛みに敏感な場所である為に痛みが出やすいのです。
上向きでの負担の少ない寝方は
腕の下から肘の下にクッション(タオルを重ねる、又は丸める)を入れる。
お腹の上にクッション(タオルを丸めたもの、抱き枕も良い)を入れる。
この方法で痛みが軽減される効果が期待できます!簡単にできるので是非やってみて下さい!
横向きでの痛みを軽減させる方法
痛みがあるほうの肩を上になるようにして、丸めたタオルやクッションなどを抱えて腕の位置を調整するようにします。
人によっては楽になるポジションも違うのでご自身の楽な姿勢を試しながらやってみて下さい。
最後に
今回は夜間痛について書いていきました。対処法で筋肉を柔らかくする方法ですが、夜間痛だけではなく肩を上げた時に痛みが出るなどの症状でも使える知識になるので、覚えておいて下さいね。
あと、一睡も出来ない激痛の痛みや何回も起きてしまう夜間痛に関しては、早めの治療をおススメします!痛みが長引いてしまったり、痛みのあまりに体力や精神力を削られてしまい日常生活にも影響が出てしまうので気をつけましょう。