2回に分けて膝裏の痛みについて、ご説明していきました。様々な理由や原因によって痛みが生じるものでした。
しかし、中にはスポーツやケガをして痛めた記憶もないのに痛みがある。
病院で診てもらっているのにもかかわらず、原因がはっきりとしなくて痛みが改善されないというようなこともあります。
そのような場合は「トリガーポイント」と呼ばれる筋肉のしこりが原因の場合もあります。
今回は、この「トリガーポイント」についてご説明していきます!
トリガーポイントとは?
皆さんはこのような経験をしたことはないでしょうか?
身体のどこかに痛みが生じた時に、自分が痛いかなと思っていた場所を触ってみたらそれほど痛くない。この痛みを引き起こしている場所が実は違っていたという経験です。
痛みを引き起こす原因となっている場所は必ず一致するとは限りません!
私たちの体には筋肉が存在して、その筋肉は骨に付着して筋肉を伸ばしたり縮めたりして関節を動かすことで日々生活をしています。
筋肉が伸び縮みを繰り返すたびにストレスが加わっており、デスクワークやスポーツなどでの過度の負荷の積み重ねによって筋肉の付着部に存在する「受容器」という細胞が刺激されて興奮し傷ついていきます。
この感作された受容器をトリガーポイントと呼んでいます。
【なぜ、トリガーポイントが出来るのか?】
トリガーポイントが形成される要因として、「不動」と「使い過ぎ」ということが考えられています。
「不動」とは、長時間同じ姿勢をしたまま動かないこと
「使い過ぎ」によるものは、酷使することによって筋肉に微細な損傷や炎症が起こって、筋膜に癒着が生じるものとして、トリガーポイントポイントが生じるのではないかと言われています。
他にも色々な原因があるともいわれていますが、正確にはわかっていないのが現状です。
このトリガーポイントの特徴として「関連痛」というものが見られます。
この関連痛が先ほど質問を投げかけた、痛いと思っていた場所を押さえるとさほど痛くなく、痛みを起こしていた場所が違う場所だったという事です。
膝で例えると、この膝の痛みは筋肉のしこりのトリガーポイントによる関連痛の痛みであるという事が言えるでしょう。
トリガーポイントの説明はこれくらいにして、膝の裏に痛みを起こす、代表的なトリガーポイントをご紹介していきましょう。
膝の裏の痛みのトリガーポイント
これらのトリガーポイントを目安に、その周辺で膝の裏に響く筋肉のしこりを捜してみてください
*膝窩筋・・・膝の裏で、やや外側
*腓腹筋・・・膝裏の横じわから、3横指(人差し指から薬指までの指3本分の幅)下の左右の2点
*足底筋・・・膝裏の横じわ中央の少し上
*ハムストリングス・・・太もも後面で、お尻の下と膝裏のほぼ中間の左右2点
*ヒラメ筋・・・ふくらはぎの内側で、脛骨(すねの骨)の後方の中央付近
お菓子のグミのような丸いしこりや、すじ状のしこりを押してみて、膝裏のいつも痛い箇所に響けば、トリガーポイントの可能性があります。
膝の裏にひびかないしこりでも、押す角度を変えてみると普段の痛みが再現されることがあるので、是非試してみて下さい。
膝の裏の痛みの再現されるポイントを見つけたら、気持ちよくひびく程度の強さで、20~30秒ほど押し続けてみましょう。
押しているうちに、患部へのひびきが弱くなってきたら、そこはトリガーポイントの可能性が高いです。圧迫を少し強めながら、20~30秒の持続圧迫を数回繰り返してください。
この持続圧迫で症状が軽減しない場合は、「5秒押して3秒離す」を繰り返す方法を試してみてください。
少しでも症状に変化が現れたら、続ける価値のある治療法だと考えられます。
また、お風呂上りで身体が温まり、全身の筋肉が緩んだ状態での治療は、より効果的なのでおススメです。
治療後は、押した筋肉を30秒間ほど、ストレッチしましょう。強すぎて痛みを感じるストレッチは症状を悪化させるのでご注意ください
まとめ
腰や股関節、膝などに疾患のある人は、無意識に患部をかばって、関節を少し曲げた姿勢になりがちです。
膝関節を曲げ気味で立ったり歩いていると、脚の後ろの筋肉が縮んでしまい、膝を伸ばそうとすると膝の裏が痛みます。
あと、長時間のあぐらや正座、横坐りや椅子に座った状態での脚組みも膝の裏に負担をかけるので、なるべく控えましょう。
普段からの姿勢に気をつけて、適度な筋トレやストレッチを行うことが、膝裏の痛みの予防にもつながるでしょう。