前回のブログで、ゴルフによる腰部の痛みについて書いていきました。今回はスイングショルダー(いわゆるゴルフ肩)について書いていきたいと思います。ゴルフにおける肩の役割とは、飛距離と方向性を決めるのに重要な働きをしています。
今回の内容でゴルフによる肩の痛みを解消して、よりよいゴルフライフを過ごせるようにしましょう!!
肩の痛みが出るのは何故か?
ゴルフの後に、左の肩甲骨や肩の痛み、腕の痛みやだるさを感じることがある方が多くみられます。痛みが出る共通の姿勢として、左肩は前方に巻き込んで、右側に首をかしげて、左肩は下がっている状態になっていることが多いと言われています。
ゴルフのスイングでは、テークバックをする際に、左の肩甲骨についている筋肉である、菱形筋・広背筋・大円筋などが引き伸ばされます。スイングの時に頭を動かさないようにするために、上半身に対して首のねじれは強くなります。
テークバックして、引き伸ばされた筋肉がスイングの始動と共に収縮を始めます。筋肉が「伸張→収縮」といった急激な負荷を肩部が受けます。こうした負荷の連続が、肩部周りや肩甲骨に付着する筋肉や、首や腕の筋肉に影響を与えて痛みとなって現れてきます。
また、肩部の前面と肩甲骨の前側の筋肉(大胸筋・小胸筋・前鋸筋・肩甲下筋)の状態は、先ほどの菱形筋や、広背筋が引き伸ばされている(伸張)のに対して収縮しています。
この時に、体をもっと回そうとしたり、トップを高くしようという意識が出てしまうと、腕で押し込んだり、肩を巻き込んだりするので、肩部、肩甲骨の前面の筋肉を緊張、収縮させてしまいます。
上記の事により、後ろ側の筋肉は余計に伸ばされてしまい、前後の筋肉バランスが崩れて、関節の安定性も低下します。不安定な関節はうまく力が発揮出来ません。
一方、筋肉の働きは、緊張した筋肉の反対側の筋肉は弛緩してしまうので、筋肉も力を上手く発揮出来なくなってしまいます。
そして、切り返しからダウンスイングの瞬間に、肩の前面の筋肉はさらに収縮して、後ろの筋肉はさらに伸ばされることによって筋肉のアンバランスと関節の不安定性がより増してしまい、その状態でスイングをしていく事で、後ろの筋肉や関節に負担がかかり、スイングショルダー(ゴルフ肩)が発症するのです。
あまりにひどくなると、軟骨などの関節自体にも損傷を引き起こすこともあるので注意が必要です。
【スイングショルダー(ゴルフ肩)を悪化させる要因】
テークバックの際には、身体全体に大きなねじれを加えます。股関節や腰部、背部に加えて首を使って身体を捻りますが、股関節の動きが硬く腰の動きがうまく使えない、手打ちになってしまうなどの条件が重なるとテークバックの動きを肩でカバーする必要があります。
ということから、肩をより深く内に巻き込む必要があり、肩甲骨の内側の筋肉は過度に伸ばされて、障害を受けやすくなって、尚且つ、胸椎や肋骨の関節にもストレスを与えます。
普段の姿勢が悪くて、股関節・腰部・胸椎などスイングに関わる関節の可動域が悪くなっている方は、身体を回そうと上半身を使ってしまうので、より一層の注意が必要です!
ストレッチは逆効果!
ストレッチにより瞬間的には痛みをごまかすことは出来るのですが、筋肉が伸ばされて障害を起こしている状態になるので、痛みがある箇所の筋肉を伸ばすことはほとんどのケースでは逆効果になります。
スイングショルダー(ゴルフ肩)の根本の原因は「身体の軸」の崩れにあります。
1.緊張した筋肉と弛緩した筋肉のバランス
2.関節のアンバランス
による影響で軸が崩れてると共に運動のバランスも崩れて、無理な状態でのスイングになります。対処法として、身体の軸を整えて、それぞれの筋肉をうまく働かせる、関節をより正常な可動域で動かす事が重要になります。
スイングショルダー(ゴルフ肩)対処法
・まずは痛みが引くまでは安静にしてもらう。その間は練習や、トレーニングなどの運動は避けていただいて、日常生活の際にも気を配り、肩に負荷がかからないようにする。
・急に練習を再開せず、安静にしていた筋肉に負荷を少しずつ与えていき、筋力を元に戻していく
・身体に負担のかからないスイングを心がける
1.手首、グリップの力を抜く
力みによってスイングが小さくなる為に、無理に体を捻じろうとしたり、肩を押し込む動きによってスイングショルダーを発症させます。また、ゴルフ肘の原因にもなります。
2.トップの位置は高くしない
トップの位置を高くしようとすると、左手で押し込む動きがどうしても入ります。その為に、肩周りの筋肉の負担が大きくなったり、無理に顔を残そうとして、首の筋肉に大きい負担がかかります。
まずはこの方法を試していただいて、それでも痛みが出る。もしくは、痛みが変わらないようであれば、筋肉の緊張がかなり強い、体幹のズレや歪みがすでに起きている可能性もあるので、その時は、専門家の受診、施術など受けることをおすすめします。