近年、多く耳にする言葉であると思われる脊柱管狭窄症。この症状の特徴である間欠性跛行というものはいったいどんなものか今回のブログで学んでいきましょう。
間欠性跛行についての説明
間欠性跛行の「跛行」というものは『びっこ』をひいて歩くことをいいます。主に痛みによって歩行を続けることが困難になりますが、静止をする、前かがみになる、椅子に座るなどをすると短時間で症状が緩和する状態をいいます。
この間欠性跛行の原因として、動脈硬化によっておこる血管性の場合と、神経が圧迫されておこる神経性といわれています。
【神経性跛行】
脊柱管狭窄症などの神経を障害する病気に見られます。脊柱管狭窄症の場合は、加齢減少などにより、背骨の中を通る神経と脊髄が圧迫されることで、神経の栄養動脈がうまく流れない為に痛みや痺れを引き起こし、間欠性跛行が発生します。少し休むと再び歩けるようになるのが特徴であり、多くの方は下半身に鋭く刺すような痛みがあります。
自転車に乗っている時や、杖や手押し車、ショッピングセンターのカートなどを押している時は症状が出にくくなります。脊柱管は身体が反っている状態である程度狭くなります。という事から、自転車等の前かがみの状態での動きでは、脊柱管が広がるために症状が出にくいです。
※症状が楽と言って前かがみの体勢を勧める方もいてると思いますが、おススメしません。かえって症状が悪化する原因になります。
【血管性跛行】
主な疾患として、閉塞性動脈硬化症やバージャー病にみられる、血管の病気によって症状が発生します。閉塞性動脈硬化症を発症して足の血流が妨げられることで、足の筋肉に栄養と酸素が行き渡ることが困難になり痛みや痺れを引き起こします。初期症状は冷感などが起こります。次第に歩いていくうちにふくらはぎに痛みに出て歩き続けられなくなるのは神経性跛行と同じです。
症状が悪化していくと、足のしびれや知覚の低下、筋肉の低下に移行して、足の細胞が死ぬ「壊疽」になることで、足を切断することになる場合があります。
閉塞性動脈硬化症は、全身に進行した動脈硬化のひとつであり、他の血管にも動脈硬化が進行している可能性があります。閉塞部位によっては、脳血管障害、虚血性心疾患などの合併症を起こす場合も考えられます。
バージャー病とは、四肢末端の末梢血管の内膜の炎症によって動脈の閉塞をきたして、血液の流れに異常をきたす病気で、閉塞性血栓血管炎とも呼ばれます。この「バージャー」とは最初の報告者の名前のことで、このように呼ばれます。発症には、喫煙が深く関与していると言われています。青壮年を中心に多くみられる疾患であり、閉塞性動脈硬化症と同じ症状を来します。
上記以外にもこの間欠性跛行を引き起こすものとして、もう一つの原因が考えられる事をあなたはご存知ですか?その原因はこれです!
もう一つの原因 筋膜性疼痛症候群
筋肉が固まってしまったことによって痛みや痺れを来すものです。筋肉が原因?と思う方が多いかと思いますが、この筋肉が影響を及ぼす方も非常に多いです。
固まって痛みや痺れの原因に繋がる筋肉を歩くことによって動かすことで、痛みや痺れが出てしまう、休んで筋肉を動かさないと痛みや痺れが治まる。
これが、筋膜性疼痛症候群による間欠性跛行です。
【この筋肉が原因になりやすい】
バツ印がついているところの筋肉が固まってしまうことによって、痛みや痺れが出やすくなり、上記の画像以外にも股関節周りに筋肉の緊張があるときに同じ赤色の場所に関連した痛みがでます。
また、すねの筋肉が固くなることで、すねの筋肉や足の甲の範囲にかけて痛みや痺れといった症状が出ると言われています。
この筋肉による原因の場合は、痛み止めやブロック注射でも間欠性跛行は治まらない可能性が高いです。神経に対しての治療より、筋肉に対してのアプローチが必要です。
固まって痛みや痺れの原因になっている場所に対して、正しい角度と位置で深いところにある筋肉の緊張を取り除くことにより改善されていきます。
脊柱管狭窄症で神経圧迫になっている場合でも、必ずしも神経圧迫だけが原因とは限りません。もし筋肉が原因の場合であれば、対処法も変わっていきます。症状を引き起こす原因に対して正しくアプローチしていく事が間欠性跛行の対策という事になります。