中高年での膝の痛みの原因で最も多いのが、『変形性膝関節症』です。膝の軟骨が擦り減っていく病気で男性より女性が多いのが特徴です。
主な原因は、
・肥満 → 体重を支える膝の負担が大きい。 ・加齢による筋力の低下 → 関節を支えている筋力が低下し、膝の動きが不安定になり、負担 が増加する。 ・外傷 → 過去に半月板や靭帯を損傷したことがある。 ・O脚X脚 → 膝にかかる圧力が片側に集中する為に、軟骨が傷つきやすくなる。 ・その他 → 関節リウマチや痛風などの病気がある場合。 などなど・・・
最初は正座や椅子から立ちあがるときや階段の上り下りなどに痛みが出てきます。軟骨自体には神経がないので痛みはないのですが、軟骨が擦り減って骨が露出してしまうと痛みが出てきます。 進行していくと、次第に平地を歩くときでも痛みが出るようになり、膝に水が溜まったり、腫れてくるようになってきます。更に更に進行していくと、膝を曲げたり伸ばしたりすることが出来なくなり、歩くことが困難になって来ます。
↑ こうなる前に、早く気付いて進行を抑えることが大事になって来ます。高齢になると『体のそこらじゅうが痛くて当たり前』なんて放っておくと、歩けなくなってしまいます。異常に気付いたらなるべく早めに医療機関を受診することをおススメします。
こんな症状はありませんか?
・普通の道端でもつまづきやすくなった。 ・動き始めに膝が痛むがしばらく歩いていると痛みはなくなる。 ・正座が出来ない、しにくい。 ・膝を曲げ伸ばしするときに、膝がきしむ音がする。 ・膝に常に違和感がある。 ・膝を曲げた時に膝裏や膝周囲が突っ張る感じがする。 など・・・ect
変形性膝関節症の治療では
痛みが強いときは、消炎鎮痛剤を用いたり、膝関節にヒアルロン酸や副腎皮質ホルモンを注射します。
ヒアルロン酸を注射することにより、軟骨の表面を保護したり、滑りを良くする効果が得られます。
まずは、最悪の事態(手術・歩けなくなる)の前に、早期から治療をすることが大事です。進行を防ぐために予防をしっかりすることで最悪の事態を免れます。また、関節に水が溜まっている時は、すぐに抜こうとしないでください!!関節内の水は誰しもが少しは持っているものです。 水が溜まるのはなぜか?・・・それは、関節内で炎症が起こった時に消火活動を行ってくれるのが【水】なのです。この水を早期に抜いてしまうと根本(炎症)が治っていないので、また、水が溜まってくるといった、いわゆる『クセ』になる現象が起こってしまうのです。ただ、あまりにも溜まりすぎて、膝周囲がブヨブヨと腫れていたり、歩くのが困難になってきたりすると抜いた方がいい場合もあります。 もし、水が溜まったら、水=炎症が起こっていると考え、必ず『氷で冷やす』これを覚えておいて下さい。氷で冷やした後、湿布などを貼っていただくと効果が上がります。
日常生活では、まず膝に負担をかけないようにしなければいけません。特に肥満は大敵です。暴飲暴食で急激に肥えられると膝にかかる負担がかなりかかります。なので、栄養バランスを考え良質な食事方法を摂ってください。また、骨を作るカルシウムやたんぱく質、ビタミンDが不足しないようにしましょう。 膝を曲げる動作が負担となるので、正座などは避けていただき、椅子生活に切り替え、なるべく膝を冷やさないようにしましょう。
変形性膝関節症の方は、特に太ももの筋力低下が著しく落ちています。なので、膝が安定しません。その際は、サポーターを使用するなどして膝を保護して下さい。サポーターをすることにより膝にかかる負担を減らすことができます。
最後に、膝が痛くて病院に行くと、だいたい『歩いて下さい』と言われます。が、必ずしも歩くと良くなるわけではありません。いわば、症状によって歩いてもいい時期と歩くと逆に悪化させてしまう場合があるので注意が必要です。 痛みが強い時期や水が溜まっている時は行わない方が良いでしょう。その時は、安静が大事です。痛みがマシになったら、ウォーキングやストレッチを始めましょう!! 歩く際は、ウォーキングシューズは大事です。現在は、機能性のいいシューズが沢山有ります。また、必ずしもどのシューズもご自身に合うわけではありません。特に、注目していただきたいのは、クッション性が優れているシューズです。膝に優しく、サポートしてくれるので歩きやすく痛みが出にくくなり疲れが残りにくいです。時間かけてでも、ご自身に合ったシューズを見つけてもらいウォーキングしていただくことをおススメします。