前回のブログで膝蓋骨の役割として説明していきました。おさらいをすると、膝蓋骨は膝の関節における曲げること及び、伸ばすことの機能の増大。大腿四頭筋を一つにまとめて、膝蓋靭帯に効率よく力を伝達する働き。そして、膝関節を保護するといった役割があります。膝蓋骨は膝関節と大腿四頭筋に対して重要な働きをしていたということですね!
そして、今回のブログでは膝蓋骨の動きについてと、膝蓋骨の動きの制限をかけるものとして記事を書いていきます。この膝蓋骨の動きというものは、膝の動きにも影響を及ぼすのと、膝の手術をしたあとのリハビリにもこの膝蓋骨動きが大事になってくるので、どうゆう動きをするのか?何が動きを制限するのかを学んできましょう!!
膝蓋骨の可動性
膝蓋骨は自分で動かすことができます。実際、ご自身で触って動かしたことがある人もいてると思います。早速ですが膝蓋骨の動きの目安を見ていきましょう。
1.上下の動き
膝関節の完全伸展から完全屈曲までに、8mm~10mm移動する。
2.左右の動き
完全伸展位において、8mm~20mm移動する。
3.回旋の動き
完全伸展位から屈曲130度までに、平均6.2度外旋する。
4.傾斜の動き
膝完全伸展位から屈曲115度までに平均11.4度内側に傾斜する。
一般的にはこの内容で表記されており、膝蓋骨は動くとされていますが、中々内容が細かいです。臨床で正確に「何度回旋した」とか「何度移動した」などと評価することは難しいのですが、ここで大切なのは膝蓋骨の動きに制限があるということで、膝関節の曲げること、伸ばすこと(屈曲・伸展)は制限されてしまうという事です。
膝蓋骨の動きの評価方法はいくつかあるのですが、完全伸展の状態で適切な可動性があるかどうかは重要な評価の一つです。
なぜ、完全伸展位なのでしょうか?
膝関節は膝を曲げている状態では、大腿骨の顆間溝と言われるものに収まっていて、周囲の組織(筋肉など)の緊張が高まり可動性が低下します。
逆に、完全伸展位では、膝蓋骨は顆間溝から浮き上がる為に最も可動しやすくなります。そのために、最も動きやすい完全伸展位においての膝蓋骨の可動性は大切なものであると考えています。
膝蓋骨の動きを制限するもの
実は、基本的に膝蓋骨に付着する組織の全てが制限するものとなるので、かなりの数があります。そこで今回は、腸脛靭帯というものを紹介します。
この腸脛靭帯は、脛骨に付着すると、教科書には書いているのですが、細かくみると、腸脛靭帯の表層は膝蓋骨に付着します。このために、腸脛靭帯の滑走性の低下によって膝蓋骨の動きにも影響を及ぼすことになります。
よく膝の関節の機能改善には、股関節周りの機能を改善することも大切です!という言葉を聞きますが、こういった筋肉の解剖図を参考にしても股関節からの影響は大きいと思われます。
まとめ
2回に分けて膝蓋骨というものに照準をあてて説明していきました。いままで、「なぜこの膝のお皿があるのかな?」という方も少しながらでもご理解していただけたのであろうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!