今まで、【頭頸部】【体幹】の体操、ストレッチをお教えしましたが、今回は、最後に上肢と下肢の誰でも出来る体操をお教えしたいと思います。ぜひ、お休み前やこれからのお身体の為に活用していただければと思います。
椅子に座りながら出来る簡単体操
・足首回し
デスクワークや立ち仕事、また、車いすに乗られている方は下肢のむくみや血流のうっ滞が起こります。足首を回すことにより足のむくみだけでなく、下肢静脈血栓症(エコノミー症候群)など命にかかわる疾患にも効果的ですので、しっかりと予防していきましょう。
また、足首や指の柔軟性は、歩行時の推進力や安定性に関与します。その為、転倒予防対策としても取り組むことが出来ますのでおススメします。
※運動の目安は右回し10回を3セットと左回り10回を3セットしてください。慣れてきたら、回数を増やして行って下さい。
・底背屈運動
歩行や椅子から立ちあがるときに必要なふくらはぎの運動です。立ち上がり全般には大腿四頭筋(太もも)の筋力が重要ですが、立ち上がり初期時にはふくらはぎの力が非常に大切となります。
この運動もむくみや下肢静脈血栓症(エコノミー症候群)にも効果がありますので是非、行って下さい。
※注意点
1.踵を上げた際に重心が外側方向に移動しやすいので、意識して親指に力を入れて行うようにしてください。
2.負荷はご自身の能力に応じて行いましょう。筋力が弱っている方がいきなり負荷を強くかけてしまうと痛める恐れがありますので注意して下さい。
※運動の目安は左10回を3セット、右10回3セットを行いましょう。基本はゆっくり上げてストーンと脱力して落とす感じで行って下さい。
足踏み体操
座りながら出来る足踏み体操です。主に歩行に重要な筋肉である腸腰筋をはじめとする股関節周辺の筋肉のトレーニングになります。足踏み運動は、腹圧をかけることが出来るため大腸への刺激を与えることができ、日ごろから便秘に悩まされている方はおススメです。
【ポイント】
①手足を出来るだけ大きく、テンポ良く動かしましょう。
➁背筋を伸ばすことを意識して、できる範囲で行いましょう。
※まずは30秒を2セットから3セット行って下さい。1セット終わった後インターバル15秒設けてください。
プッシュアップ運動
椅子からの立ち上がりや除圧において非常に重要な筋肉である、上腕三頭筋を鍛える運動です。
『車椅子生活が中心の方』や『立ち上がりの際に体を支えるのが困難な高齢者』におススメの運動メニューです。
※注意点
1.肘や肩に痛みがある方は、無理をして行わないようにしましょう。
2.背筋を真っ直ぐにして、肩をすくめないようにします。
3.バランスが安定しない方は、肘置きつきの椅子で行ないましょう。
*運動の目安は10回を2~3セット行ないましょう。
肩のストレッチ
この体操はタオルを使用して行います。タオルを活用することで肩関節だけではなく、肩甲骨や胸筋にもストレッチ効果が期待できます。これらの柔軟性を高めることで『姿勢の改善』や『洗体動作』もスムーズに出来るようになっていきます。日常の生活での訓練の為にこの動作を取り入れていきましょう。
【運動のポイント】
1.肩や胸を意識して、ストレッチします。
2.動かせる範囲に応じてタオルの長さを変えましょう。
※姿勢を真っ直ぐにすることを心がけましょう。
*時間は30秒程度を目安に行います。
ふくらはぎのストレッチ
この運動もタオルを使って行います。身体を曲げにくいなどでストレッチが苦手な高齢者でもタオルを足先にかけて膝を伸ばすだけでふくらはぎが伸ばされて柔軟性を高めることが出来ます。
出来るだけ、タオルを引っ張り足首を反らせることでより効果的にストレッチすることが出来ます。
【運動の注意点】
1.足首や膝に痛みがある方は無理をしないようにしましょう。
2.タオルはスポーツタオルや、バスタオルのような長いものを準備しましょう
3.深く椅子に座るのではなく、浅めに座って行ないましょう。
*10秒間×6回を目安に行います。
本当に簡単にできますので是非ともテレビ見ながらや椅子に腰かけているときなどにやってみて、お体のケアをご自身で行って下さい。
これがきっかけで健康になり体が動きやすくなってくれ、痛みがなくなることを願います。
分からないことは当院にお問い合わせいただくか一度ご来院頂けると直接、ご指導出来ますのでよろしくお願い致します。